先生はどう考えますか?

Q3が終了し,私事でばたばたっとしているうちにQ4が始まってしまった。
Q3の授業で「こころとは」というものを担当したが,最終レポートを回収するその寸隙に,学生から「結局,先生はこころとは何だと定義するんですか」と尋ねられた。
150人を超す学生が行列をなして提出を待つその時に,14コマ使って伝えようとした内容が一言に凝縮できるはずもなく,「詳しくはWEBで」と言い放ってその後今まで放置してしまった。すみません。
 
あの時の受講生がこれを読んでいるかどうかはわかりませんが,短くお返事です。
 
明示的に「これがこころです」とは言いませんでしたが,こころとは何かをかんがえるための思考材料を提示しながら,私なりにはこちらの意図が透けて見えるような授業をしたつもりでした。ですので,伝わんないか~と残念に思う一方で,それもそうだろうなとも思いました。
感情だけをこころと呼んだりしない,人間だけが持つものでもない,脳なしにはあり得ないが脳だけあればよいというわけでもない,といった話はしたつもりです。
この授業は今後も担当していく予定ですので,明記はしません。ごめんなさい。
ただ,これは!と思う文献を,つい先週手にしましたので,ご参考ください。
 
櫻井武 (2018) 「こころ」はいかにして生まれるのか ブルーバックス
 
奥付をみたら,10月20日発行でした。
 
うぅむ。このようなテーマで何かを語ろうとすると,こんな感じになるんだなぁと心強く思う一方で,なんとなく忸怩たる思いが。
 
 

クオーター制とGW

たまにしか投稿しないのに,話題はほぼクオーター制のことっていうのは
どんなもんだろ?と思いつつ,またクオーター制の感想です。
セメスター制の時には,5月の連休付近というのは,なんとなく授業の調子
も前年度のブランクから戻りつつあり,1/3ほど進んできてリズム出てきたなー,
でもちょっと年度初めの疲れを何とかしたいかなー,という頃でした。
ほっと一息,の頃でしたし,この月末には折り返しが来るので,話す内容の
進度が適切かどうかなどをユルユルと振り返る余裕もありました。
これが,クオーター制だと,この時期はもう折り返しの時期です。
週2で講義があって,学生もレポートの準備に時間的余裕がないので,先日,
ある授業ではもう期末レポートのお題を出しました。エンジン掛かり切るまえに
もう下らなきゃいけない感じです。まだ山上った感もないのに(なのに疲れてる)。
そして,息切れぜーぜーしているまもなく,Q2がやってくるのです…。GWは休め
ません。Q2の授業準備にあてるのです………。

セメスターの頃は,6月に休みが欲しいぜ!と思っていましたが,Q制になって
その感覚は変わるのかな?と期待していましたが,昨年度の様子では,そこら
ヘンは全く同じでした。ぜーぜーしてQ1終わって,怒涛のQ2が始まって,やっぱり
6月には「前より切実に休みが欲しい…」と思っていたように思います。振り返る時間
というのは,結構疲労感の減少に役立っていたのだなぁ…と思います。
学生諸君はどうなんでしょうね?試行錯誤,思考探究系の講義科目はしんどいのかも
しれませんが,もしかしたら忙しいお蔭で5月病とかにはなりにくいのでしょうか?

年一になってる…

単純4分割のクオーター制を1年過ごしてみて,これは困ったことだなぁというのが,
今の率直な感想です。
どこか1Qを授業なしにすることなど,全くもって不可能とは言いませんが,そうする
にはどこか1Qで過労死しそうです。
折しも,裁量労働制の労働時間について,世間では何やら怪しげな議論(というには
呈示する根拠に信憑性が無さすぎてまともな議論になりそうもありません)が巻き
起こっていますが,年単位で平均とれば薄くなるでしょ,とか言われても,疲労は平均値
で楽になったりはしませんからね。一年でみれば,一日平均5.5時間寝れてるじゃん!
とか言われても,2か月2.5時間だったら体壊しますよね?って話ですよ。
とはいえ,大学教員はまだ自由度が高いはずです。わが大学は来年度もこのままの制度で
突き進むようですので,自衛的創意工夫が必要だなぁということが,本年度をもって見えました。
どうしようかなー。

さて話題は変わります。
この間,故あってエリクソンの発達課題をまじまじと改めて眺めていたのですが,
ハヴィーガーストの壮年期の発達課題の方が,なんかしっくりくるなぁ…などと,学生の
頃には思いもしなかった感想が湧いてきました。

The first half of our lives is ruined by our parents, and the second half by our children.
Clarence Darrow弁護士がどのような文脈で上記のようなことを言ったのか,
背景は全く知らないのですが,後半部分も
by our childrenではなく,by our parentsな感じ
で辛いという話を最近友人たちとよくします。
越えねばならない課題だということをしみじみ感じます。



新年度

本学は今年度からクオーター制なるものを導入した。
他の大学のように,ちみちみとできるところはそれで,今まで通りセメスターもね,
といったみみっちいことはしない。何から何までクオーター制である(といいつつ,
移行期は残っているモノもあるけど,ごく少数)。太っ腹なのである。
で,学生と教員はてんやわんやである。

ともかく,授業準備をかなり事前にまとめてしておかないと,月曜日に話したら
すぐと木曜日に2回目が来るのである…。中2日。
その中2日にも他の授業は入っているし,会議も入っている。
コメントシートを読み込んで,フィードバック用資料を作って…などとやっていては
木曜日に間に合わないのである……。自転車乗っての綱渡りな絵が浮かぶ。

んでも,1つのクオーターにきゅっと授業を詰め込んで,後は空けとくとかできる
んでしょ?いいジャンメリハリあって!という前向きな声も聞こえそうだが,世の中
そんなに上手く行ったりしない。
結局のところ,チームティーチングの必修科目なんかを複数担当していると,各
クオーターにまんべんなく授業が入っていて,まったくもってメリハリなどない。
ハリばっかり。

多分,学生よりも私が不安。


最近気に入っている

一昨年以来,ことあるごとに色んな所で勧めている本がある。
できれば,大学1年生,遅くとも3年生までには読んでいて欲しい
と思うのが,以下の本だ。

筒井美紀 2014 大学選ぶより100倍大切なこと ジャパンマシニスト

私は自分の子どもが大学に合格した瞬間に,この本を読ませたい
と思うくらい,大学で学ぶとはどういうことなのか,がごく平易な文章で
書かれた良書だと思っている。

今年は新ゼミ生には熟読の上,新年度を迎えてもらうつもりでいる。

また,これから大学院へ進学しようとする,ムボーな輩が毎年我がゼミ
からも何人か出るのであるが,彼らに贐としたい本も最近見つけた。

佐藤雅昭 2016 なぜあなたの研究は進まないのか メディカルレビュー社

進学する前から進まない前提かよ!!と突っ込まれそうだが,
行ってみたら判ると思うけど,進まないよ。さくさく進むのなら,院試用の
研究計画なんか,じゃんじゃん筆が進んで進んで,規定の枚数じゃ
収まらなくてどうしよう?ってなるでしょ。でもそんな学生,見たことないもん。
志望する段でそんな状態で,行ったらぱぁ~っと目の前が開けて…なんて
ことになりっこない。実験や調査の1,2本は何とかひねり出しても,
続きが…となること請け合い。そんな人は適性がないのだから,博士課程
進学などとさらにムボーなことを考えずに就職を探すべきで,そんな啓蒙書
なんて読んでも無意味,という向きもあろう。
そりゃそうなんだが,それでも何とか足掻きたい!という人もいる。
そういう見通しと諦めの悪い人におススメ。

ちなみに,同業者の家人にこんな本こうてん,と言ったら,「なんでそんな
傷口つつきまして,そうだよねぇ,ここが痛いんだよねぇって確認したいの?」
と爆笑のうちにノタマワレタ。
うん,ワタシ用なつもりではなかったんだけど,まぁ。そうなのか…。





ほったらかしてたがもう4月

なにがあった訳でもないが,長らく放置してしまった…。
もう新年度である。
本日は,入学式。
昨年度から,新1年生の授業も担当し,フレッシュな人と関わることが今までより増えた。
そして驚愕することも増えた…。
今年はどんなことがおきるのか,色々と楽しみ!

もうすぐ

いよいよ来週は卒論提出の週。
今年はゼミ生の少ない年だったので,赤入れは割と楽をさせて
もらった。が,こちらのそんなのんびりムードが伝わってしまった
のか,今になってどうもワタワタしているような…(4年生が,なのか
私が,なのか…)。
泣いても笑っても次週火曜日まであと6日。
最後まで走り切って,無事卒業して頂きたい。がんばれ。