必要十分条件

今期の「こころとは2」の期末レポートテーマは,「脳はこころの必要十分条件かという視点から,こころとは何かを論じなさい」(要約。指示はもっと細かかった…)というものでした。
残念なことに,条件のじょの字も,脳ののの字も出てこないレポートが複数あったり,必要十分条件とは何かが全く間違った理解の元論が展開されていたり,「こころは脳にあります!でも心臓にもあります。理由は,そう思うからです!!」という,いったい私の15コマはなんだったか…と脱力させられるものがあったりと,残念バージョンにはいくつかのバリエーションがありました。

「AはBの必要十分条件である」といった場合の,必要十分条件という言葉が意味していることは,ざっくり言うと,「AとBは同値である」といえるかどうかということです。

したがって,「脳がないと心は生まれないけれど,脳があるからと言って心があるとは限りません」という場合は,必要十分条件とはいえません。「心は脳で生まれます。でも脳の働きには,心とは言えないものもあります」,という場合もそうです。

中には強者もいて,「文系なのでよくわかりませんが…」と断っているものもありました。関係ないし!文系とか理系とか!!バリバリ哲学・論理学でやることだし!!と突っ込みいれながら読みました。そして,そういう教育が高校で十分なされないことをちょっと嘆いて,来期の授業どうしようか,途方に暮れたしだいです。