廊下でする質問かしら

18年度の卒業論文提出,発表会,成績報告が終わり,新ゼミ生の顔合わせ会が開かれ,気持ちとしてはもう新年度な感じです。

ゼミ生には毎年伝えていますが,研究の質問,相談に来るときには,できるだけ「何に困っているのか」だけではなく,あなたの研究の背景や,仮説,具体的方法,そしてどこまで何を考えて,何に行き詰っているのかを言語化して来なさいと指導しています。
ずっと以前に,他のゼミの学生に廊下で呼び止められ,「せんせー,わたしコレコレとコレコレの関係を調べようと思って,分散分析したんですけど,分析のしかたこれでいいんですよね~?」ととーとつに聞かれたことがあります。
大変失礼だ,それで聞き手があなたが何をやろうとしているか判ると思ってんのか,占い師にでも聞いてるつもりか,とマイルドに表現しながら,本当に質問する気があるなら,(上記のようなことを書いた)資料をもって相談に来てねといったら,「あ,じゃーいいですぅー」と去って行きました。
本当に何かを解決したいわけではなかったんだな,不安な気持ちを表出したかっただけだったんだな,学部生だしなと割り引いて考えてみましたが,自分のゼミ生には,「愚痴りたいときはそう最初に言え。本当に質問がある時は,正しく問え。」と口をすっぱくしていっています。ぐちならこっちも頭を使わずに聞き流して,さくっと3分で切り上げます。
何をテーマにしたらいいんでしょうねー(単語認知にしたら,とか言ってもうなずかないんでしょ?),とか,データ取ったんですけど分析方法なにかいいのありませんか(なぜそれでデータが取れる??!!),とか,研究うまくいかないんですけど何でですかねーとか,まともな返事ができない問いかけはしてはいけません。
私はあなたのお友達ではないので,世間話につきあう義理も余裕もないのです,と伝えています。なくなりませんが。

こんなことに興味があって,こんな文献は読んだのだけれども,このあと何をしていけばテーマが絞れるだろうか?とか,研究計画書を持参したうえで,目的,仮説,方法を説明して,当初の予定の分析では何が問題で,何を解決したくて別の分析方法を模索しているのか,とか,今までどのような失敗をして,うまくいかない理由の自己分析はどこまでしているのか,とか,ちゃんと情報をくれということです。
当然お互いにかなりの時間を消費する行動ですので,予めアポも必要ですし,自分の予定もしっかりあけておくべきです。
「あと30分後にバイトに行かなきゃいけないんで,手短に教えてください」と質問をうけたこともあります。大変唖然としました。
アポも,「質問があるんで行ってもいいですか」,が許されるのは入学したての1年生だけです。研究にまつわる質問は,いったいどれくらい時間を割く必要があるのか,どの程度の答えを必要としているのか,など,こちらが判断できる程度には十全な情報を加えたアポ取りが必須です。

おいおい新ゼミ生にはゼミ内で伝えますが,こんなことを気を付けて教員は利用してほしいなと思います。
研究がんばりましょうねー。